八百祢です。
今回は書籍の紹介をします。
橘玲さんの「バカと無知」です。
なかなかキワドイタイトルですが、中身もギリギリを攻めていて面白かったです。
この本は身の回りにいるバカな人の特徴を教えてくれる本です。
本書ではバカとは自分を過大評価している人だと書かれています。
バカは20くらいしかない自分の能力を、80とか90ぐらいだと本気で思い込んでいるそう。
遥か大昔、私たち人間は150人程度の群れの中で生きていたのですが、その頃は群れから追い出されて一人になってしまうと死ぬ確率が高かった。
なのでみんな群れから追い出されないように必死でした。
では、なぜバカは群れから追い出されてしまうのか、それはシンプル
例えば狩猟をしている時にバカが大声を出したり、足音を立てたら獲物が逃げてしまうでしょう。
そのためバカはバカと悟られないように自分を大きく見せようとするそうです。
逆に優秀な人は自分を小さく見せる傾向があるそうです。
ではなぜ優秀な人が自分を小さく見せるのか、それは優秀な人は目立ちすぎると叩かれることを知っているから。
前述したように私たち人間は150人程度の群れの中で生きてきました。
そこで生き延びて子孫を残すためには、ほかの男性よりも女性に選ばれるように、自分の有能さをアピールする必要がありました。
今だとイケメン・高身長・高学歴・高収入などでしょうかネ。
しかし、やたらに優秀なことをアピールすれば良いというわけでもなかった。
過剰にアピールすると目立ちすぎて同性から反感を買って引きずり降ろされたり、恨まれてしまう可能性があるからです。
同じ同性からしたら、優秀な人はパートナーを探す時のライバルになるからネ。
ボク達の脳は自分より優れた人を見ると損失を感じ、自分よりも劣った人を見ると報酬を感じるように出来ているそうです。
テレビやネットで自分より優秀な人が叩かれているのを見ると気持ちいいと感じるのはそのせい。
経営者や政治家、芸能人、ユーチューバーなど有名な人はものすごく叩かれます。
この行動は「自分よりも優秀な人を引きずり降ろしたい」と言う本能から来ています。
無名の人が不祥事を起こしても「ふ~ん」で終わるでしょうし。
周囲に優秀なことがバレて目立ちすぎると、四方八方から足を引っ張られてしまうわけです。
だから優秀な人はあえて自分を小さく見せて、目立たずに結果を出す必要があった。
「能ある鷹は爪を隠す」ということですね。
バカの問題は、自分がバカであることに気づいていないこと。
心理学者のダニング博士とクルーガー博士は、能力の低い者は自分の能力が低いことを正しく認識できているのか? を確かめるために実験を行いました。
その実験は頭の悪い生徒たちと頭の良い生徒たちの双方に、数学的な能力や国語の能力、そしてユーモアのセンスなどを計るテストを受けてもらい、その結果と自己評価を比較するというものです。
結果、頭の悪い生徒たちは実際の平均点数が12点だったのにも関わらず、自分たちの能力は68点だと思い込んでいた。
つまり、頭の悪い生徒たちは自分を5倍以上も過大評価していたのです。
一方、頭の良い生徒たちは実際の平均点数が86点だったのにも関わらず、自分たちの能力は74点しかないと思っていた。
以上の結果から、バカは自分を過大評価し、優秀な人は自分を小さく見せていた。
それだけではなく、バカは自分を過大評価している
これを「ダニング=クルーガー効果」と言います。
バカの問題は「自分がバカであることに気づいていない」ことです。
この先も続きがあるのですが、今日はこの辺で。
面白いのでみなさんも読んでみてください。